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株式投資をはじめる皆さんの中で、自分が詐欺被害に遭う可能性を考える人はいないでしょう。
また「自分は絶対に投資詐欺に騙されない」と思っている人は多いんじゃないでしょうか。
「あんなの騙されるのは馬鹿だけ。」
「途中で気づくでしょ...。」
こんな風にニュース番組等で目にする、投資詐欺の被害者に呆れている人もいるかもしれません。
しかし、驚くことに実際に投資詐欺に遭った約9割以上の被害者が「自分が騙されると思っていなかった」と言っていることが分かっています。
そのため、株式投資をおこなうにあたって肝に銘じてほしいのは...
・詐欺の被害に遭う可能性は誰にでもある。
・被害のあとに失った資産が戻ってくることは少ない。
ということです。
この記事では投資詐欺の被害者とならないために、今まで報告されてきた詐欺の実態をご紹介しています。
事前に投資詐欺の手口を知っておくことで危険を回避していきましょう。
投資詐欺の手口とは?
株式投資がブームの最中、詐欺業者に狙われていたのは初心者ばかりでした。
取引に関する知識のないまま株トレードをはじめる投資家が多かったため、ターゲットにしやすかったのでしょう。
しかし、最近は投資が一般化しています。
ある程度の知識をもって株式投資をスタートする投資家が増えていることから、詐欺も巧妙になってきています。
経験者でも騙されるような手口が広がっていることもあり、投資家たちは詐欺に関して警戒心を持つ必要があると言えるでしょう。
最近の投資詐欺には一体どのようなものがあるのか。
現在までに報告されている投資詐欺の手口をご覧ください。
個人の人気を利用した詐欺行為
最近はインターネットサービスがかなり普及しています。
それにより、テスタやバフェット太郎といった個人投資家やアナリストにも注目が集まることが増えているようです。
これを利用して詐欺業者は動画配信やSNSなどのアプリで獲得したファンを投資サービスに引き込んでいます。
盲目になったファンに投資サービスを提案して契約料や個人情報を手に入れているようです。
一度ファンを獲得するという手間が追加されて複雑になっていますね...。
そのためSNSでは「中学生投資家」や「億トレーダー」など、珍しい肩書をもつ成功者が急増しています。
誰もが気になる肩書を使うことで多くの人に注目してもらう作戦なのでしょう。
彼らは華やかな生活や手の届かない投資益をアピールしているはずです。
はたまた、お金配りに勤しんでいるかもしれません。
また、積極的に他の投資家とコンタクトをとることで実在する人物だと思い込ませるなどの小細工も行っています。
これは疑心暗鬼になりやすい投資家こそ騙されてしまうかもしれませんね...。
目立つ肩書をもっている投資家が全員ウソをついているわけではありません。
しかし、SNSなどのアプリには詐欺商材を売りつけるためにファンを獲得しようと活動している人が潜んでいることを忘れないようにしておきましょう。
オンラインサロンを使った投資詐欺
アプリを使った投資詐欺と似ているのが「オンラインサロン」を活用した投資詐欺です。
オンラインサロンを使った投資詐欺はニュースなどでも問題となっています。
こちらもカリスマ性の高い人物が中心となって投資家を騙しているのですが、SNSでの詐欺と違って閉鎖的な環境で行われているため悪質性が高いようです。
オンラインサロンとは月額を支払うことで発言や閲覧ができるコミュニティのことを指しています。
ここ数年で一部の層に人気が出ているサービスで、会員として登録を済ませた人間だけが利用することが出来るようです。
そのため1度ハマると抜け出しづらく、洗脳されやすいみたいです。
第三者の目が届きにくい環境であることから、オンラインサロンは過度な助言やインサイダー情報の巣靴となっていることも多いと言われています。
オンラインサロンでの詐欺と言えば「KAZMAX」などが記憶に新しいのではないでしょうか。
彼は自身のカリスマ性によって集めたサロン生に遅れて指示を出すことによって稼いでいたと言われています。
実際に投資アドバイスを提供していたので完全な詐欺とは言えないものの、儲かる予測ができるという部分は間違いなく嘘だったと言えるでしょう。
オンラインサロンではこのようなグレーゾーンが横行しています。
そもそも金商やアナリスト資格を持っていない素人が推奨銘柄や投資助言を案内していることも多いようです。
どんなにレベルが高くても、これらは参考にすべきものでは無いと言えるでしょう。
電話営業での投資詐欺
昔ながらの電話営業も詐欺の常套手段です。
業者からすると電話営業は証拠を残さずに有料サービスを提供&グレードアップできるチャンスです。
考える余地の少ない通話中のやり取りで、個人情報や総資産などの情報を聞き出してきます。
繰り返し何度も電話がかかってくるため「これから逃れれるなら...」と契約してしまったケースが数多く報告されています。
1回ならまだしも、毎日何回もというのはストレスです。
現在は着信拒否やLINE電話がメジャーになったことで減少していると聞きますが、被害は未だにゼロではありません。
電話営業には、無料サービスに釣られて登録した個人情報が使われていることが多いようです。
現在も投資サービスの無料プレゼントなどを行っている会社は多いため、利用する場合は登録した情報が悪用されないかを考慮してご利用くださいね。
架空の商材サイトでの投資詐欺
これまた鉄板なのが架空の投資商材、中身のないサービスを使った投資詐欺です。
この詐欺では契約料金と個人情報の二重取りが発生する場合があるでしょう。
この手口は、優良サービスに見える株サイトを作り上げることからスタートしています。
昔は外面だけが整えられたフィッシングサイトが流行りましたが、最近の主流はステルスマーケティングからの流入だと考えられます。
ステルスマーケティングを活用した誘導は悪質サイトで頻繁に行われています。
これはTMJ投資顧問や雅投資顧問なども行政処分を受けている内容です。
最近の業者はグループとなって悪事を働いているという話もありますので、利用者のリアルな声を掲載していないと噂になっている業者は警戒しておくべきかもしれませんね...。
株式投資詐欺の被害に遭った場合の「対処法」とは?
詐欺の手口を知っていたとして、被害に遭わないとは言い切れません。
もしも詐欺の被害者になってしまった場合、投資家はどのような対処法を取るべきなのか調べてみました。
調べて分かったのですが、投資詐欺グループからの返金はかなり難しいようです。
ただ、ここで何もアクションを起こさずに泣き寝入りしてしまうのはナンセンスです。
被害を少しでも取り戻せるように、投資詐欺に気づいた段階で下記に掲載したいずれかの対処法を実施してください。
クーリングオフ制度を利用する
クーリング・オフは一定期間内であれば、購入・申し込み・契約を撤回、解除できる制度です。
訪問販売や電話勧誘による契約は8日間、マルチ商法は20日間の期間が設けられています。
クーリング・オフでは取引の種類によって期間などが定められているようです。
そのため詐欺と気づいたときからのスピード感を大切にしてください。
また、クーリング・オフをするときは通知を必ず書面で提出しなければなりません。
相手が届いていないと言い張る場合があるので、簡易書留、内容証明郵便などを使って、文書内容や発信日時・到着を証明できる状態にしておくのがベストです。
ちなみに契約書面に不備があったり、勧誘時にウソの説明を受けたり...。
このような問題があれば、期間を過ぎていたとしても適用できる場合があります。
振り込め詐欺救済法
振り込め詐欺救済法は、詐欺事件の被害回復のための救済制度です。
投資詐欺やオレオレ詐欺などの事件を対象としています。
この「振り込め詐欺救済法」を適用するには、被害に遭ったと自覚した時点で警察とお金を振り込んだ金融機関に連絡をする必要があります。
この連絡をキッカケに詐欺被害が認定されると振込先の預金口座が凍結されます。
悪質業者側の口座が入金も出金もできなくなります。
さらにその口座にお金が残っていれば、被害者で案分し、分配金が支払われます。
詐欺業者は頻繁に口座からお金を引き出しているため返金には期待できないことが多いようです。
そのため、被害に遭ったと気づいたら出来るだけ早く申し出ることが重要です。
クーリング・オフと違って、振り込め詐欺救済法で被害額をすべて回収することは難しいです。
口座残高や被害者数によっては数千円の返金となってしまうことがあるようです。
ただ、詐欺業者に痛手を負わせることや次の被害者を出さないことは出来るでしょう。
振り込め詐欺救済法については、各金融機関または「全国銀行協会相談室」や「銀行とりひき相談所」に相談することが可能です。
ADR(裁判外紛争解決手続)
ADRは、専門家が消費者と事業者の間に立って和解の仲介や仲裁などを行うものです。
裁判以外の方法で問題を解決できるので被害が公になることはありません。
ADRでは被害者が多くて全国的に解決が重要と判断されている「重要消費者紛争」がよく取り扱われています。
その中でも投資家が知っておきたいのがFINMACです。
FINMACは証券・金融商品あっせん相談センターです。
株・投資信託・FXなど金融商品トラブルに特化した金融ADR機関のことを指します。
FINMACと国民生活センターは両方ともADRを無料で行えます。
しかし、FINMACの場合にはADRで解決せずに斡旋を申し立てることがあるようです。
斡旋を申し立てた場合には損害賠償請求金額に応じた申立金が必要となります。
そのためADRの場合は多少のマイナスを考慮したうえでの被害回復となるでしょう。
消費者団体訴訟制度
消費者団体訴訟制度は、被害者が代理を立てて訴訟を起こすことが出来る制度です。
ここで代理となるのは内閣総理大臣が認定した適格消費者団体・特定適格消費者団体です。
消費者団体訴訟制度で出来るのは「差止請求」と「被害回復」の2つです。
動揺の被害が多発していればいるほど適用されやすいみたいですね。
差止請求…不当な勧誘や不当表示などに対する改善・中止を求める
被害回復…消費者に代わって訴訟を行い財産的被害の回復を求める
この制度を利用して被害を回復するためには個々が手続きへ参加しなければいけません。
各地域の適格消費者団体・特定適格消費者団体に連絡することで参加できます。
また被害回復のために「消費者団体訴訟制度」を利用する場合は、一定の裁判費用・報酬の支払いが発生することもあるようです。
少額訴訟手続
被害額が60万円以下である場合に活用できる制度です。
簡易裁判所を使って弁護士を通さずに訴訟を起こすことが出来ます。
原則は1回の期日で審理を終え、即日判決が言い渡されるようです。
弁護士がいないため発生費用は低めですが、自分で証拠書類を揃える手間などがかかります。
また少額訴訟手続きは訴える相手の住所が特定できない場合には利用できません。
民事訴訟
登録していたサービスが詐欺だったとして、その代表者たちが警察に逮捕されたとしても被害額が自動で戻ってくることは無いようです。
だまし取られた被害額を取り戻すには弁護士を通じた民事訴訟が必要です。
民事訴訟では、相手の氏名や住所などの情報が明らかとなっていない場合に訴訟の開始が難しいことが多いようです。
また、勝訴したとしても相手の財産によっては十分な被害額を回収できない場合もあるようです。
さらに弁護士費用が発生するなど、コスパはそこまで良くない可能性があります。
民事訴訟を行う場合は、事前に被害額回収の見込みや金額をよく確認しておくことが必要です。
集団訴訟
被害者の会などを作って集団で相手を訴えるのが「集団訴訟」です。
同じ詐欺グループから被害を受けた人同士が集まって、弁護士費用や証拠集めを分担することで少ない負担で詐欺被害を訴えることが可能です。
集団訴訟は同じ被害を受けている人をインターネットなどで探すことから始まります。
ネット上には、自分が受けた被害を登録して仲間を集めるプラットフォームなどが存在しているようです。
ちなみに世の中には集団訴訟を行うテイで詐欺を働く業者もあるようです。
集団訴訟のためのグループを探す時には、信頼できるプラットフォームを使っているか・代表は誰か・今後のスケジューリングが公開されているかなどをしっかりと確認しておきましょう。
レビューサイトに口コミ評価を投稿する
レビューサイトへの投稿は、新しい被害者を生み出さないために最も有効な手段です。
内容は出来るだけ細かく、金額などの詳細を正確に、記載すると良いでしょう。
当サイトでは利用者の皆さんが投稿してくれたクチコミ評価を基に各種サービスやアナリストを検証しています。
少しでも怪しいと思うポイントや情報があれば、ぜひ口コミ掲示板にレビューをご投稿ください。
投資詐欺のまとめ
今回は「投資詐欺の手口」や「被害に遭った場合の対策」について紹介しました。
思っていたよりも色々なものがあって驚いているのでは無いでしょうか。
また、今回の紹介にあたって思ったのは...
どんどんと進化をしていく詐欺の手口に対して応戦できる対策が少ないということです。
最近は契約から〇日は無料などとクーリング・オフを潰すサービスや、弁護士費用よりも安いサービス提供料金で細かく投資家の資金を削り取るサービスも増えています。
そのため詐欺だと気づくのに時間が掛かったり、マイナスを考慮して諦める人もいるでしょう。
投資家たちの間で「詐欺被害に遭ってしまったら被害額を取り戻すのは難しい」と言われている理由がわかりますね...。
そのため、当サイトでは投資家が悪質業者の餌食とならないよう検証記事を掲載しています。
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また、当サイトでは閲覧者のみなさんに喜んでもらうために優良株サイトをおすすめしています。
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